年収 400 万円の方の養育費の相場

更新日:2025/07/01
年収 400 万円の方の養育費の相場

養育費を支払う側の年収が400万円の場合、毎月の養育費の相場は4~14万円程度です。

このように大きな幅があるのは、養育費を決める際には支払い義務者の年収だけでなく、他にもいくつかの要素が考慮されるからです。

今回は、年収400万円の養育費の決め方を中心に、養育費を相場より増減させる方法や、養育費を決める際の注意点などについて解説します。

養育費とは

養育費を受け取っている人の様子

養育費とは、子どもが成熟して自活できるようになるまで育てるために要する、衣食住などの生活費や、教育費、医療費などの費用のことです。

未成年の子どもがいる夫婦が離婚した後は、どちらか一方のみが子どもの親権者となります。しかし、親権者とならなかった側の親(非親権者)も子どもとの縁は切れないため、引き続き子どもの養育義務を負います。

つまり、離婚後も両親は子どもの養育費を分担して負担しなければなりません。そこで、親権者から非親権者に対する養育費の請求権が認められているのです。

養育費の金額は、基本的には両親が話し合って決めることとされています。双方が合意すれば、自由に金額を決めることが可能です。

とはいえ、何らかの指標がなければ、養育費の金額を適切に決めることは難しいでしょう。そこで、一般的には裁判所が公表している「養育費算定表」に掲載されている金額を相場として参照して、養育費の金額が決められています。

【参考】養育費

年収 400 万円の養育費の決め方

養育費の取り決め

養育費算定表には、両親それぞれの年収と、子どもの人数・年齢に応じて、適切とされる養育費の金額が掲載されています。

支払い義務者の年収が400万円の場合の養育費を決めるためには、まず、子どもの人数・年齢に対応した表を選びます。例えば、5歳の子どもが1人いるケースなら、【(表1)養育費・子1人表(子0~14歳)】を選びましょう。

表を開いたら、養育費を支払う側(義務者)と受け取る側(権利者)の年収をそれぞれ確認します。会社員の場合と自営業者の場合とで金額の設定が異なることにご注意ください。

義務者の年収に該当する行と、権利者の年収に該当する列とが交差する欄に記載されている金額が、その世帯における養育費の相場となります。

例えば、義務者の年収400万円(会社員)、権利者の年収100万円のケースでは、「表1」による養育費の相場は4~6万円です。

【参考】離婚に応じない夫に対し、裁判により離婚を成立させ、子供の大学卒業までの養育費や300万円の財産分与を認めさせたケース

養育費を相場より増減させるには?

養育費減額の話し合い

養育費算定表に掲載されている金額は、あくまでも目安であり、絶対的な基準ではありません。そのため、個別の事情によっては養育費を相場より増減できることもあります。

権利者としては、以下のような事情がある場合に、養育費の増額を請求することが考えられます。

  • 教育費が相場より高い(私立学校や大学の学費、塾代など)
  • 子どもの重病や大けがなどで高額の医療費を要する
  • 自分が病気や怪我、リストラなどで失職したり、収入が減少したりした
  • 義務者の年収がアップした

一方、義務者としては、以下のような事情がある場合に、養育費の減額を請求することが考えられます。

  • 自分が病気や怪我、リストラなどで失職したり、収入が減少したりした
  • 権利者の年収がアップした
  • 自分が再婚して扶養義務の負担が増えた

実際に養育費の増減を認めてもらうためには、個別の事情に応じて、養育費としていくら必要なのか(増額を請求する場合)、いくらまで支払えるのか(減額を要求する場合)について、具体的な事情を立証することが重要です。

【参考】成人年齢引き下げで離婚や養育費はどうなる?       

年収を参考に養育費を決める場合の注意点

養育費算定表に掲載されている金額は目安に過ぎませんが、家庭裁判所の調停や審判、訴訟では、機械的に養育費算定表が適用されてしまうケースがほとんどです。そのため、増減を求める場合には、なるべく当事者間の話し合いによって柔軟に決めることが望ましいといえます。

ただし、いったん取り決めた養育費を後で変更するのは容易でないことが多いです。なるべく子どもの将来の進学先など、養育方針も考慮して養育費を取り決めておいた方が良いでしょう。

話し合いがまとまったら、合意した内容を証拠化するためにも、離婚協議書を作成しましょう。

相手が約束を守らない可能性もあるので、公正証書で離婚協議書を作成することをおすすめします。公正証書にしておくことで、相手が約束どおりに養育費を支払わない場合には、裁判をしなくても、すぐに相手の給料や預金などの財産を差し押さえて回収することが可能となります。

【参考】年収が2000万円以上の場合の養育費、婚姻費用の計算方法について

年収 400 万円の場合の養育費にお悩みの場合は弁護士へ

集合写真

年収400万円のケースでは、義務者も生活に追われたりして、適切に養育費が支払われないことも少なくありません。困ったときは、弁護士へのご相談をおすすめします。

弁護士は、相場のみにとらわれず、具体的な事情に応じて適正な養育費を算出してくれます。その上で、相手とは弁護士が代わりに交渉しますし、離婚協議書も作成します。

話し合いがまとまらない場合は調停・審判や訴訟といった法的手続きもサポートしますし、相手が支払わない場合の強制執行(差押え)手続きを弁護士に依頼することも可能です。

養育費は、子どもを育てていくための大切なお金です。お子様の健全な成長のためにも、弁護士へご相談の上、適切な金額の養育費を確保していきましょう。

山本総合法律事務所では、養育費に関するご相談を多数承っております。
年収や家庭環境、ご家庭ごとの事情を丁寧にお伺いしたうえで、適切な養育費の算定や合意書の作成、交渉から調停・訴訟まで幅広く対応いたします。
「どのくらいが適正な金額なのか」「相手が払ってくれない」「公正証書を作成したい」など、お悩みの内容に応じて柔軟にサポートいたします。
まずはお気軽に、当事務所までご相談ください。お子様の将来のために、確実な一歩をともに踏み出しましょう。

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