看護師のための離婚相談

更新日:2022/09/15
看護師さんと男の子

看護師の女性が離婚するときには、一般の会社員や専業主婦の方とは異なる注意が必要です。

「収入面では心配していないけれど、子どもの親権を取得できるか不安…」

このようなお悩みを抱える方もおられるでしょう。

今回は看護師が離婚の際に注意すべき点を弁護士の視点から解説します。これから離婚を検討している看護師の方は、ぜひとも知っておいてください。

1.看護師が親権を取得する方法

子どもを抱く母親

離婚するとき、夫婦の間に未成年の子どもがいたら「親権者」を決めなければなりません。

妻が専業主婦やパートなどの一般的な離婚のケースでは、女性側が当然のように親権を取得する例も多々あります。しかし看護師等の多忙な職種の場合、この常識が通用しない可能性もあるので注意してください。

勤務形態によっては不利になる可能性も

裁判所が親権者を決めるときには「従前の監護状況」や「離婚後の生活状況」を大きく評価します。

特に重視されるのが次の2点です。

  • 離婚前、主に育児に関わっていたかどうか
  • 離婚後、子どもと共に過ごせる時間が長いのはどちらか

看護師の場合、夜勤などもあって忙しい事も多く、しっかり子どもと過ごす時間を取れない方もいらっしゃいます。

そういった場合、親権者を判断する際に不利益に評価されて、親権を相手にとられてしまう可能性が無いとは言い切れません。

親権を取るためのポイント

看護師が親権を獲得したいなら、育児に積極的に関わり子どもとの関係を密にして、相手と別居するときには子どもと決して離れないなどの対応が必要です。

自分自身では対応が難しい場合には、祖父母のサポートが受けられるかどうかをアピールしていく事も重要です。

初動で失敗すると、親権を獲得できなくなってしまうおそれも高まります。相手と親権争いが発生しそうな状況であれば、お早めに弁護士までご相談ください。

2.看護師と養育費

電卓とメモを取る手元

看護師の離婚では、子どもの親権を獲得できたとしても「養育費」に関して注意が必要です。

養育費の決定方法

養育費の金額を算出するには複雑な計算が必要ですが、一般的には裁判所が作成している「養育費算定表」を使って、夫婦それぞれの収入や子どもの年齢・人数に応じた相場で決定します。

養育費は、支払う側と受け取る側の収入バランスによって金額が決まります。受け取る側の収入が高くなると、養育費の金額は低くなる計算です。

看護師の場合、一般の女性よりも年収が高いので、養育費を少なくされる可能性があるといえるでしょう。

適切な養育費を請求する方法

看護師の収入は変動が大きいことにも注意しなければなりません。たとえば夜勤や残業が多かった月の収入は高くなりますが、少ない月の収入は少なくなりがちです。

たまたま収入が多かった月や年を基準に養育費を計算されてしまうと、実態を反映してもらえず養育費の金額を下げられてしまうおそれが発生します。

看護師が養育費を計算するときには、収入の実態を把握した上で適切な金額を設定しなければなりません。

養育費の算定表を使っても、あてはめ方を間違えると不利益を受けてしまう可能性があります。

迷われたときには弁護士までご相談ください。

3.看護師と財産分与

おもちゃの貯金箱と木のブロック

看護師が離婚する場合、財産分与にも注意点があります。

相手が一般的な男性の場合

相手が一般的な会社員などの男性の場合、看護師の女性の給料の方が高い場合も少なくありません。夫婦の収入がほとんど変わらないケースもあるでしょう。

財産分与では妻側の財産も対象になるので、妻名義の財産が多ければ妻が夫へ支払をしなければならない可能性があります。一般的には「財産分与は女性が男性側へ請求するもの」であり「いかに多く請求するか」が問題となるものです。

しかし看護師の場合には「財産分与をいかに少なくするか」が重要となるケースもあるので、払いすぎにならないように慎重に対応しなければなりません。

相手が医師の場合

看護師は医師と婚姻するケースが多いので、離婚相手が医師という事案もよくあります。

そして医師は一般男性と比べて著しく高収入なので、財産分与額も高額になりやすいといえます。

特に開業医になると、出資金やゴルフ会員権、投資用の不動産や株式、債券などの有価証券、投資信託などさまざまな財産を保有しているケースが散見されます。退職金代わりに生命保険に加入している方も多数です。

相手が医師の場合、こうした財産を見逃さずにしっかり財産分与を受けないと、本来もらえるはずの財産を受け取れず不利になってしまうでしょう。

また医師は多忙ではありますがお金を持っているため、離婚の際には有能な弁護士に依頼する方が多数です。妻側が弁護士をつけてないと圧倒的に立場が悪くなり、不利益な条件で合意させられてしまうおそれが高まります。

看護師が医師と離婚するなら、弁護士への依頼が必須といえるでしょう。

4.看護師の離婚は弁護士に相談を

弁護士

以上の様に、看護師の方が離婚を考えた時には注意すべき点がいくつもあります。

確実に親権を獲得するためには万全な準備をしておく必要がありますし、相手の言うがままに離婚に応じてしまうと財産分与や養育費などの金銭面で損をしてしまう可能性もあります。

また、多忙な中で離婚の条件を取り決めたり、相手と話し合いをする事さえ難しい場合もあるでしょう。

そのような時には弁護士にご相談ください。これまで多くの離婚事件を手掛けてきた山本総合法律事務所では、ご依頼者の味方となって「幸せな離婚」実現のためにサポートいたします。

当事務所ではこれまで医師や看護師など医療関係者の離婚案件に積極的に関わって参りました。お悩みの際にはお気軽にお問合せください。

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