財産分与で「退職金」を請求するための4つのポイント

離婚の際、退職金は財産分与の対象になる場合とならない場合があります。またケースによって退職金の財産分与計算方法が異なります。

 

今回は、財産分与で退職金を請求するためのポイントを弁護士がご説明していきます。

 

 

 

<目次>

1.退職金が財産分与の対象になる場合

1-1.既に退職金が支払われている場合
1-2.まだ退職金が支払われていない場合

2.退職金の財産分与の計算方法

2-1.既に支給されている場合
2-2.まだ支給されていない場合

3.退職金を勝手に使われないようにする方法

4.別居後、退職金を使い込まれた場合の対処方法

5.退職金の財産分与については専門家に相談を

 

1.退職金が財産分与の対象になる場合

退職金が離婚時の財産分与の対象になるのは、以下のような場合です。

 

1-1.既に退職金が支払われている場合

既に退職金が支払われている場合、退職金が振り込まれた口座内の「預金」や退職金によって購入した「投資信託」など、形を変えて手元に残っている退職金が財産分与対象になります。

 

1-2.まだ退職金が支払われていない場合

まだ退職金が支払われていない場合には、下記の条件を満たす場合に退職金が財産分与の対象になります。

 

① 支給予定が10年以内
離婚後おおむね10年以内に退職金が支給される予定があることが必要です。

 

② 支給される蓋然性が高い
勤務先が上場会社や公務員のケースなど、退職金が支給される蓋然性が高いことが必要です。

 

この2つの条件を満たせば、退職金を財産分与対象として請求可能です。

 

2.退職金の財産分与の計算方法

 

次に、退職金の財産分与の計算方法について、事例ごとに解説します。

 

2-1.既に支給されている場合

すでに支給された退職金を財産分与するときには、受けとった金額を勤続年数で割り算して婚姻年数をかけて、婚姻年数に比例した分を算出します。

その金額の2分の1が財産分与請求できる金額です。

 

2-2.まだ支給されていない場合

将来支給される退職金を財産分与してもらうときには、以下のような方法で計算します。

 

パターン1:現在自己都合退職するとして試算
離婚時に自己都合退職をした場合に受けとれる退職金見込額を基準に計算します。
その金額を婚姻年数に比例した分に引き直し計算し、さらに2分の1にした金額を財産分与として請求可能です。

 

パターン2:将来受けとるべき退職金額を前提として試算
将来定年退職したときなどに受けとれる予定の金額を基準にします。その金額を勤続年数で割り算して婚姻年数をかけ算し、「中間利息」を差し引きます。さらに2分の1にした金額を財産分与請求します。

 

どちらの計算方法を利用すべきかは決まっていないので、夫婦が話し合って適切な方法を選択します。

 

3.退職金を勝手に使われないようにする方法

退職金を財産分与として請求するためには、相手が受けとった後に勝手に使わないようにする必要があります。

そのため、退職金の支給前であれば退職金請求権を「仮差押」できます。そうすれば退職金の支払いを離婚時まで凍結させて、離婚時に確実に支払いを受けることが可能となります。

 

4.別居後、退職金を使い込まれた場合の対処方法

退職金が相手名義の口座に振り込まれると、別居後、相手が使い込んでしまうケースがあります。
その場合でも財産分与の基準時は別居時なので、使われる前の金額を基準に退職金の財産分与を請求できます。

 

5.退職金の財産分与については専門家に相談を

サラリーマンや公務員の退職金は高額になるケースも多く、特に熟年離婚の場合に退職金の財産分与が重要です。請求できるかどうかや計算方法等に迷われたら、弁護士までご相談ください。

 

 

 

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