パワーカップル(共働き)による離婚の注意点と進め方を弁護士が解説

更新日:2026/10/08
パワーカップル(共働き)による離婚の注意点と進め方を弁護士が解説

はじめに パワーカップルとは

パワーカップル

「夫婦ともに収入があるのだから、離婚の話し合いもすんなり進むはず」

そう考えていたのに、財産や住宅ローンのことで話がまとまらず、悩まれている方も少なくありません。

パワーカップルとは、夫婦ともに高い収入を得ている共働き世帯を指す言葉です。法律上の明確な定義はありませんが、一般的には、夫婦それぞれが一定以上の年収を得ていて、世帯年収が1,000万円を超えるような夫婦を指すことが多いようです。

パワーカップルは、お互いに経済的に自立しているため、離婚後の生活への不安が比較的少ないといえます。一方で、次のような事情から、一般的な離婚にはない争いが生じやすい傾向があります。

・夫婦で築いた財産が大きい
・住宅ローンを夫婦で組んでいることが多い

本コラムでは、パワーカップルが離婚する際に揉めやすいポイントや進め方、注意点について、群馬県高崎市・前橋市に拠点を置く山本総合法律事務所の弁護士が解説します。

パワーカップルが離婚をする際によく揉めるケース

夫婦喧嘩

財産分与の対象と割合

財産分与とは、婚姻期間中に夫婦が協力して築いた財産を、離婚の際に分け合う制度です。

対象になり得る財産には、次のようなものがあります。

  • 預貯金、不動産
  • 株式、投資信託
  • 保険の解約返戻金
  • 退職金

一方、結婚前の貯金や、親から相続した財産などは「特有財産」と呼ばれ、原則として財産分与の対象外です。共働きで収入も資産も多い夫婦ほど、「どの財産が共有財産にあたるのか」で争いになりやすくなります。

財産を分ける割合は、原則として2分の1ずつです。この点、2026年4月施行の改正民法では、夫婦それぞれの貢献の程度は、違いが明らかでない限り等しいものとすることが明記されました。

ただし、医師など特別な資格や能力によって多くの財産が築かれた場合には、この割合を変えるよう主張されることもあります。

ペアローンで購入した住宅

住宅

パワーカップルは、夫婦それぞれが住宅ローンを組む「ペアローン」で自宅を購入していることが少なくありません。この場合、次のような点で話し合いが難航しやすくなります。

  • 離婚後に誰が住むのか、それとも売却するのか
  • ローンをどう返済していくのか

婚姻費用・養育費

子どもと手を繋いでいる後ろ姿

婚姻費用や養育費は、夫婦双方の収入をもとに算定します。共働きの場合は相手にも収入があるため、受け取れる金額が、思っていたより少なくなることがあります。 

また、年収が高額な場合は、一般的な算定表だけでは金額を決められないこともあります。年収が2,000万円を超える場合の考え方は、こちらのページで解説しています。

親権・子どもの監護

子どもがハグをしている様子

夫婦ともに仕事が忙しい場合は、次の点が争点になります。

  • これまでどちらが子どもの世話を担ってきたか
  • 離婚後に誰が子どもを監護できるか

なお、法改正により、2026年4月からは、離婚後も父母が共同で親権を持つことを選べるようになりました。

パワーカップルの離婚のすすめ方

夫婦の話し合い

財産と収入の状況を把握する

まずは、夫婦の預貯金、株式、保険、不動産、住宅ローンの残高などを整理しましょう。相手の財産がわからないままでは、適正な財産分与を求めることができません。

離婚後の住まいと生活を考える

自宅に住み続けるのか、売却するのかを検討し、離婚後の住まいや生活費の見通しを立てておきましょう。

別居する場合は婚姻費用を取り決める

別居中の生活費(婚姻費用)は、原則として収入の多い側が少ない側に支払います。共働きであっても、収入に差がある場合や、子どもと暮らしている場合には請求できることがあります。

話し合い(協議)をする

夫婦で離婚の条件を話し合います。合意できた内容は離婚協議書として作成します。この点、公正証書にしておくとさらに安心です。

調停・裁判を検討する

話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所に離婚調停を申し立てます。調停でも合意できなければ、離婚裁判を検討することになります。

パワーカップルが離婚をする際の注意点

ポイント

ペアローンは離婚しても自動的には解消されない

ペアローンは離婚しても契約内容が変わらず、夫婦それぞれが返済を続ける必要があります。互いに連帯保証人になっている場合は、相手が返済を滞らせると、自分に支払いを求められるおそれがあります。

ローンの名義を一本化するには、金融機関の承諾や借り換えの審査が必要で、必ず認められるとは限りません。また、共有名義の不動産は、相手の同意がなければ売却できません。

財産の把握は別居前に

別居すると、相手の財産に関する資料を確認することが難しくなります。通帳や証券口座、保険証券などは、可能な範囲で別居前に確認しておきましょう。

子どものことを第一に考える

親権や監護をめぐっては、親の仕事の都合よりも、子どもの生活環境がどう守られるかが重視されます。離婚後の働き方や、子どもの世話を誰がどのように担うのかを、具体的に説明できるよう準備しておきましょう。

年金分割も忘れずに

夫婦ともに厚生年金に加入している場合でも、収入に差があれば、年金分割によって将来の年金額が変わることがあります。財産分与とあわせて確認しておきましょう。

取り決めは離婚前にしっかりと

財産分与や養育費などの条件をあいまいにしたまま離婚すると、後から話し合うのは簡単ではありません。離婚届を提出する前に、条件をきちんと取り決めておくことが大切です。

パワーカップルの離婚を弁護士に相談するメリット

メリット

弁護士に相談・依頼すると、次のようなサポートを受けられます。

  • 財産分与の対象となる財産を整理し、適正な分け方を検討できる
  • ペアローンや共有名義の住宅について、状況に応じた解決方法を検討できる
  • 収入に応じた婚姻費用や養育費の金額について、見通しを立てられる
  • 調停や裁判になった場合も、弁護士が代理人として手続きを進められる
  • 相手との交渉を任せられるため、仕事への影響や精神的な負担を減らせる

当事務所では、税理士や司法書士と連携したワンストップでのサポートや、不動産や株式などが絡む複雑な財産分与への対応に力を入れています。複数の弁護士が在籍し、高崎・前橋の2拠点で、群馬県全域および近隣の地域からのご相談をお受けしています。

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所員一同

「仕事が忙しく、離婚の話し合いに時間を割けない」
「財産や住宅ローンをどう分ければよいのかわからない」

そのようなお悩みを、お一人で抱え込む必要はありません。離
婚するかどうかを決めていない段階でも構いません。まずは状況を整理するところから、弁護士と一緒に考えてみませんか。

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